研究内容

骨格組織には、骨を形成する骨芽細胞、骨を吸収する破骨細胞、関節の維持にはたらく軟骨細胞を中心に様々な細胞種が存在します。骨組織が正常に働くには、これら骨格系細胞種が正しく発生し、修復の際には協調してはたらくことが必要です。骨発生・骨修復において、これら細胞種の運命決定・分化機構を正しく理解することは、骨の再生や疾患の治療に重要です。私たちは次世代シーケンサーを用いたエピゲノム解析・遺伝子発現解析、一細胞解析を通して、骨格系細胞のアイデンティティを決める遺伝子発現制御機構(Gene regulatory networks; GRNs)の解明を進めています。また、細胞種間シグナルネットワーク解析により、発生・修復における多細胞集団の相互作用の理解を進めています。最近は、骨欠損モデル、多能性幹細胞を用いたヒト骨発生モデル、臨床ヒト骨サンプルを用いた研究を通して、骨修復やヒト骨発生研究のメカニズム解析や種間解析を展開しています。これにより、ヒト骨再生・骨修復に真に必要なメカニズムを明らかにし、バイオマテリアルと統合することで、その活性を自由に操作する技術を開発します。

 

現在以下の研究テーマを進めています

  • オミクス解析・一細胞解析・バイオインフォマティクスを駆使した、骨発生・骨修復における骨格系細胞のエピゲノムダイナミクス、遺伝子制御ネットワークの解明
  • 発生機序・病態解明を目指した、一細胞解析・分子バーコード・ゲノム編集技術を駆使したスクリーニングシステムの開発

  • 多能性幹細胞を用いた骨発生・骨疾患モデリングシステムの開発

  • 高機能・高生体適合性バイオマテリアルと組織再生シグナルの知見に基づいた、組織再生を誘導するインプラントデバイスの開発

  • 超高齢社会日本の医療課題、特に大腿骨近位部骨折と骨粗鬆症の新たな治療ターゲットを創出する基盤研究


HOME